美味しい豚肉を笑顔の食卓へ千葉県の養豚生産者が結集しました。ナイスポークチバのホームページです。


平成29年度千葉県養豚大会盛大に開催

その時々の養豚問題に関する関心事をテーマに開催する千葉県養豚大会は、佐倉市所在の印旛合同庁舎大ホールにおいて169名の参加により開催された。

開催に際し、主催者である公益社団法人千葉県畜産協会 松木専務理事、来賓として県農林水産部畜産課渡辺博剛副課長から挨拶をいただき、県畜産総合研究センター岡田センター長を紹介し講演に入った。今回国際交渉が進展する中、今後の日本の養豚産業への影響がどう考えられるか、また将来に向けての対策をどう考えていけばよいのかを講演テーマで開催した。

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主催者挨拶:松木専務理事

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来賓挨拶:県畜産課渡辺副課長

 

                              「TPP11及び日EU経済連携協定

発効等から考えられる豚肉への影響」

                             (一社)日本養豚協会(JPPA) 顧問  木下 寛之 先生

 

(1)豚肉の需給

      輸入先国名

      生鮮・冷蔵(t)

        冷 凍(t)

            計(t)

米国

213,118

54,036

267,155

カナダ

174,060

41,356

215,417

メキシコ

11,355

75,505

86,409

チリ

 

25,505

25,505

デンマーク

114,732

114,733

スペイン

32

107,445

107,487

398,605

532,588

931,212

                 注)国内生産量:890,580t  輸出:627t

(2)TPP・TPP11・日EU EPAの豚肉関税の農林水産省の評価

現行

○豚肉の差額関税制度は、平均単価が分岐点価格524円/㎏の豚肉が 最も関税額が低くくなる事が特徴。 

○このため、安い部位と高い部位を組み合わせ、通関価格を524円/㎏付近に調整する「コンビネーション輸入」がほとんど

(近年の平均課税額23円/㎏もこのことを裏付け:524円/㎏×従価税4.3%≒23円/㎏

 

【関税削減最終年度】

○関税が発効後10年目に重量税50円/㎏・従価税無税に削減されるが、引き続き「分岐点価格で課税額が最小になる」仕組みは維持されており基本的にはコンビネーション輸入が行われると想定。

       (50円/㎏の重量税は、近年の平均課税額23円/㎏の約2倍)

 

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講演される木下先生

 

(3)TPP11の調印・発効見通し (1)

(ア)  TPP(2016年2月に署名済み)の発効については、少なくとも2013年のGDP合計の85%を占める原署名国6か国が批准手続きを終了する必要がある。

2017年1月に60.2%を占め米国のトランプ政権が離脱を通報したため、発効できなくなっている。

(イ)  米国を除く11のTPP参加国は、2018年1月23日、新協定の名称を「包括的及び先進的な環太平洋経済連携協定(CPTPP)」とし、新協定の条文、TPP協定中22項目の凍結リスト及び2項目の付属文書に合意した。

(ウ)  1月23日に決着した懸案4項目は、次のとおりである。

①   国有企業留保表:マレーシア⇒凍結で合意

②   サービス・投資留保表(石炭産業):ブルネイ⇒凍結で合意

③ 働の章の紛争処理(制裁措置部分):ベトナム⇒二国間の付属文書で対応

④文化例外(フランス語による出版・放送等の保護):カナダ⇒二国間の付属文書で対応

(エ)  ○TPP11か国は、2019年前半の発効を目指しており3月8日にチリで調印の予定である。

(4) 日EU EPAの調印・発効見通し (2)

○ 日EU EPAについては、2017年12月8日、投資紛争の解決手続きを除き、関税・ルールの分野で合意に達した。本年夏までに署名し、2019年の発効を目指している。

○ 投資紛争の解決手続きについては、EUは、常設の二審制の投資裁判所を主張しているのに対して、我が国は、TPP・TPP11と同じ一審制で、問題が発生するごとに設置する国際仲裁手続き(投資紛争解決国際センター・国連国際商取引法委員会等)を主張している。

○ 国際仲裁手続きについては、

①各国の司法手続きの枠外にあり、主権を侵害している、

②一審制である、

③   公開されていない、

④   米国に有利となる結果がある

などの批判があり、北米自由貿易協定や韓米自由貿易協定の見直し協議においても、投資紛争の解決手続きが主要な協議対象の一つになっている。2018221014.jpg

(5)養豚をめぐる課題 (1

輸入豚肉との競合の激化-生鮮・冷蔵の輸入肉が増加し、テーブルミートは国産、加工ものは輸入物といった棲み分けが揺らいできている。

○ 少子・高齢化と人口減少等による国内市場の変化-中食(2016年 7兆5,414億円)・外食(25兆4,169億円)需要が確実に増えてきているが、輸入豚国がかなりのシェアを既に確保している。特に単身世帯の割合が高く、妻が正規職員の共働き世帯と65歳以上の高齢者世帯で増加率が大きい。

○ 国産豚肉のセールスポイントの明確化-但馬牛など牛肉8品目を含め58品目の地理的表示(GI)が登録されているが、豚肉のGIは未だ指定されていない。地域の消費者との結びつき、GIの活用等を通じて、差別化を図る取組みを推進する必要がある。

○ 世界、特にアジアの豚肉消費量は増加見通し-2013~15年の112.4百万トンから2026年には132.9百万トンに増加する見込みである。この中で、アジア地域では、同じく、68.5百万トンから85.4百万トンに増加する見込みで、我が国の豚肉輸出の可能性も見込まれる。

○ 労働力確保の難しさなど-養豚経営戸数が減少する中で、規模拡大によって生産量を維持してきたが、人材不足、環境規制の強化、飼料原料価格の変動等に悩まされている。また、昨年11月から新たな外国人技能実習制度の実施、GAP、アニマル・ウェルフェアー等への対応も重要な課題となっている。

(6)養豚をめぐる課題-食品安全の国際化 (2)

○     国、EU、カナダ、オーストラリア、韓国、台湾等は1990年代以降から、HACCP義務化に取り組んでいる。

○ 一般衛生管理に加え、原則として全ての食品等事業者に衛生管理計画を作成し、HACCPによる衛生管理の実施を義務付ける食品衛生法の改正法案が今国会に提出される見込みである。

○ と畜場・食鳥処理場については、と畜場法・食鳥処理の規制及び食鳥検査に関する法律の衛生基準として、HACCPによる衛生管理計画の制度化を行うこととしている。

○ と畜場等に適用される見込みの基準Aは、HACCPの7原則を要件とする衛生管理を実施しなければならない。

-危害要因分析 ・ -重要管理点の決定 ・ -管理基準の設定・改善措置の設定

モニタリング方法の設定 ・ 検証方法の設定 ・ 記録と保存の設定

今回、今後国際化が進展する中で、生産者自身危機感を持ち今何を考え、何をすべきかを考える機会を得るためのテーマとして開催した。関税が発効後10年目に重量税50円/㎏・従価税無税に削減される中で、国が想定するように、コンビネーション輸入主体との考えがあるが、生産者側から考えると疑問視される。発効されれば養豚経営対策(豚マルキン)は、積み金(国:生産者=3:1)補填は9割となる。国内価格が下がっても豚マルキで経営の安定が保証されるとの見方からさほど危機感を感じてはいないのだろうか。毎年補填が出るような厳しい状況になった場合に、果たして無限に税金を投入されるとは限らないのではないか。生産したものが再生産価格で販売されることが原則であり、そのために今、チェックオフによる消費拡大の仕組みは必須ではないだろうか。

 

 


 

(一社)日本養豚協会(JPPA) 専務理事  倉本  寿夫 先生

 

(1韓国のチェックオフについて

1)   韓国の豚肉生産

韓国の人口は5,000万人、食肉消費の50%は豚肉。この10年間で豚肉の生産・消費が伸びている。2016年韓国豚肉消費量(23.2㎏/国民1人当たり)

2)   韓国の豚肉自給率  75%

養豚農家戸数:4,574戸(2016年)と畜頭数:16,000千頭)

ほぼ日本と同じ規模で、枝肉単価:430~450円・/㎏

3)   韓国養豚の転落から復活

2000年口蹄疫発生により国産豚肉のイメージの下落、輸出の停止からいかに国内消費拡大を図る必要性からチェックオフをスタートさせた。テレビ放送によるPR宣伝国内でバラ部位主体の消費から他の部位の消費拡大

4)   豚肉(韓豚=ハンドン)のCMは好感度は最上位

韓国のチェックオフは豚1頭当たり1,100ウオン/頭=日本円で約100円国内宣伝効果で、輸入肉より高くとも国民に受け入れられている。

5)   韓国チェックオフ資金の使途

韓国の資金造成額約30億円(2016年)

消費広報 28.8% ・ 教育・情報提供 17.5% ・ 需給安定 10.9%

運営費 4.3% ・ 調査・研究 3% ・ 流通・構造 2.4% 他

 

チェックオフの効果・成果

国産豚肉が消費者に定着・輸入豚肉より高くても評価

バラ肉に偏っていた消費が全部位に拡大、消費が伸び、価格安定につながった。

生産者一人一人が自分の資金で活動することを実感、プライドを持ち業界イメージもアップ。

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講演される倉本先生

(1)   日本の養豚チェックオフのスキーム(仕組み)

1)  養豚チェックオフを行う要件

1.  具体的な使途を予め定めてから徴収する。

2.  事業内容は拠出した全員が利益が及ぶものであること

3.  事業内容について、資金を拠出した者が受ける利益がどの程度であるか対外的に説明

できるものであること。

4.  拠出された資金の管理が明確でありほかの資金と明確に区分して管理されていること。

.  運営に当たり、拠出者の意見を反映する仕組みが存在すること。


2)   資金の使途

1.        国産豚肉の消費促進・拡大活動及び食育促進

2.     国産豚肉を生産する人材の育成と教育

3.     国産豚肉に関する課題の調査・研究と開発

3)   生産者の拠出金

と畜場出荷豚1頭50円(出荷豚1600万頭で8億円の事業規模)拠出単価は毎年見直すこととし、上限100円/頭拠出する者は所有する豚をと畜場へ出荷する経営者(子会社・預託経営者は対象外)

4)   供出8億円の場合に可能となる事業内容(イメージ)

①    消費拡大活動等(5億)・②人材育成・教育(1億)③調査・研究(1億)④生産者への情報提供・成果評価等・組織運営費(1億)

5)   養豚チェックオフによる事業に期待される効果及び事業成果の評価

○    生産性ならびに収益性を高め、競争力が強化される。

○    国産豚肉が消費者に定着し、輸入豚肉よりも高く評価される。

○    消費が全部位に拡大し、部位間の価格差が縮小。

○    豚価格安定につながる。

○    生産者一人ひとりが自分の資金で動くことを実感。

○    プライドを持つ、環境改善、業界イメージもアップ

6)  養豚チェックオフの実施に係る組織体制等

養豚チェックオフの運営に当たっては、拠出者の意見を適格に反映する仕組みとしること。拠出された資金の管理が明確で、他の資金と明確に区分して管理される。

既存の団体とは別の組織を説地する。

 

今回、養豚チェックオフ通信2号(韓国チェックオフについて)も資料に加え、実際韓国に

おける消費拡大(韓豚:ハンドン テレビ放送でのCM)の映像を参加者に見てもらった。

生産者が生産した豚肉が再生産できる価格で販売できる環境を作っていく必要がある。

経営安定対策(国3:生産者1)9割補填との仕組みが法制化され、TPPが発効されれば

この仕組みが前進することになる。しかしこの対策があるから安心と断言できないだろう。

生産者個々が将来の日本の養豚に危機感を持ち、今何をすべきかを真剣に考える良き機会と

なってくれればと願うばかりである。

 

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講演講師を囲んで情報交換会(佐倉市内)

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





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