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海匝地域畜産振興協議会平成30年度養豚講習会開催 「PRRSコントロールへの取組み」

海匝地域畜産振興協議会養豚部会主催による講習会が平成30年7月13日(金)旭市「黄鶴」において生産者、関係者約80名が参加し開催され、ナイスポークチバ推進協議会はこれに協賛しました。AD清浄化の後は、PRRSの撲滅・清浄化・コントロールとの生産者意識から,今回のテーマとなった。開会に際し、部会長である川島徳秀会長から挨拶。

 

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川嶋部会長から挨拶

 

本題に入る前に「腸内細菌を整えて、免疫力向上」と題し、(株)オフィースピースワン横山直季氏から情報提供があった。.

今回の目的である次の講演がされた。

講 演

1.「PRRSについて国内外の最新知見」

ライブストック事業部・スワイン部、マーケテンググループ

グループマネージャー  田中  耕平 氏

 

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関東におけるPRRS陽性率は88%と高くほぼ全国的に浸潤と指摘。なぜ母豚の安定化が必要なのかとの今回のテーマでは、肥育ステージにおける安定のために母豚の安定が不可欠であると解説。ワワクチの使用については、弱毒ワクチンを使用したほうがPRRSの安定性にプラスになる。子豚への生ワクチン投与が近年増えている。

肥育農場が林立する農場密集地域では、その地域全体におけるウイルス量の低減に貢献できることが示唆されている。

PRRSコントロールを困難にする要因

①    母豚が多い(PRRSウイルスの感染ターゲットである豚が増える)

②    同一敷地内の一貫経営農場(一サイト)・・・感染ターゲット・動線が複雑になる)

③    複雑な動線・・・ステージを跨いだ水平感染の原因

(対策:物・車両の専用化や消毒、担当者を分ける。長靴・衣服の交換等)

④    連続飼養(オールイン・オールアウトはウイルスの水平感染を防止する)

⑤    農場内に複数のPRRSウイルス野外株の存在(免疫管理が困難になる)

⑥    注射針の不適切な管理(母豚は1頭1針・肉豚はこまめな針交換)

⑦    外部からの安易な更新豚の導入(PRRS陰性候補豚の導入)

⑧    養豚密集地域・・・地域として感染ターゲットが多い

(農場間の防疫や,地域としての対策が重要)

PRRS対策のポイント

●    豚群の免疫を揃えて安定させること。

●    野外からウイルスを持ち込まない。野外株に接触させない

ステッププロセスに基づいた対策―5

ステップー1 目標の設定(何をどこまで改善したいか?)

ステップー2 現状の確認(ウイルスの動きは?)

ステップー3 対策ポイントの選定(できること?・できないこと?)

ステップー4 ベターな対策の立案(今できることは?)

ステップー5 対策の実行(モニタリングが大切!

 

 

2.「新潟県におけるPRRSのコントロールに向けた取り組み」

― 地域全体で取り組む重要性 -

新潟県下越家畜保健衛生所   副参事  村山 修吾 氏

 

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PRRSとは、生産性に大きな影響を与え、克服すべき疾病。

PRRS対策5大要素:ピッグフロー・バイオセキュリティー・免疫賦与・モニタリング・

コミュニケーション

最も重要な要素はモニタリング

※PRRSの動きを止めるには・・・

1.離乳舎・子豚舎

このステージで野外感染した豚は、肥育舎移動時までウイルス排泄している可能性が高い。

日齢順に入れる。または区画ごとに入れる。

感染を遮断した群と感染群との間に空き豚房を作る。

2.肥育舎

肥育舎で野外感染したとしても、出荷近く(5か月齢以上)でウイルス排泄は止まっている。

あえて、出荷中(大きな豚)豚房の隣に小さい豚を入れる。空き豚房は必用ない

3.その他

管理作業を行う人による感染要因をなくす・減らす。移動時の通路での豚の接触をなくす。

ワクチンを使うメリット

① 野外感染しても生産性が落ちない ② 野外感染してもウイルス排泄期間が短縮

 

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※感染経路と対策の難しさ

1.豚と豚の直接接触(豚 ⇒  豚)

豚房の柵越しに鼻と鼻を突き合わせる

移動時、通路を歩かせる時の接触

2.管理作業を行う人による感染(豚 ⇒  人  ⇒  豚 )

作業動線、豚房に入る作業(注射・除糞・死体搬出)

同じ服、長靴で複数の豚房に入る・・・・器具の使い回し

3.上記以外による感染

塵垁、ねずみ、猫、ふん尿など

(1)地域で取り組むPRRS対策のポイント

① 一農場だけが清浄化しても、再侵入のリスクは常に存在・・・環境作り

② 一農場だけが儲かるのではなく、地域全体で儲かる養豚を継続・・・誰が中心で取り組むか。

③ モリタニングが生命線

農場毎に豚舎構造やピッグフロー、作業手順が異なる。

一律にこうすれば良いという対策はない

④ 明確なプランの提示

農場毎に実施可能で具体的な対策案・・・今までこれがなかった。

個々の農場だけでなく、地域毎に目指すゴールまでのプランも策定。

(2)ワクチン接種を提案する農場の条件

① 農場におけるウイルス動態が把握できていること

毎年陽性全農場でモニタリングを最低1回は実施。

ワクチン開始直前前な2か月連続でモニタリングを実施

② 繁殖豚群が免疫に安定していること

いわゆる「ピンク」の状態。育成豚の馴致がしっかりできている農場

③ 哺乳豚への野外感染がないこと、させないこと

ワクチン接種前に野外感染がない

垂直感染はもちろん、豚舎の構造や日常作業による感染がない

④ ワクチン接種が3週齢以上で接種できること

生ワクチンの特性上、移行抗体の影響を考慮

野外感染と離乳・移動のタイミングなどを勘案し、接種時期を決定

⑤ ワクチンテイクするまでに野外感染をさせないこと

接種後4週間、最低でも接種後3週間を確保

⑥ バイオセキュリティができていること

ワクチン開始後、今まで以上に徹底的にやれること

飼養衛生管理の再強化

⑦ 生産者自身にやるという強い意志があること

嫌々やらせても継続しない。

ワクチンのメリット、期待でできる効果を生産者に伝えられるか

生産者間の信頼関係が構築できるかも大きなポイント

 

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(3)ワクチン接種前のモニタリング

野外株がどのステージで動くか?

感染が拡がる、遮断できない要因は何か?

①   モニタリングのタイミング

年1回又は2回程度のモニタリングでは具体的な対策案を検討するには不十分

どのステージ(豚舎)で動くかはわかるが・・・

最も重要なのは、ウイルスの動きがいつも同じかどうか・・・

その時、その時で感染のタイミングが異なる場合、ワクチンプログラムが決められない。

②   モニタリングの範囲

基本的に、各豚舎の全豚房か口腔液を採取。

豚舎内のどこにウイルスがいるのかを知りたい。

③   ワクチン接種開始後のモニタリング

ワクチン株、野外株がどのような動きになるかを把握

≪モニタリングのタイミング≫

どの農場でも、哺乳中に接種するのか、離乳後直ちに接種するパターン

どこでウイルスが動くかによって臨機応変に

1)   子豚舎が全て接種群になったとき

2)   肥育舎の半分程度が接種群になったとき

3)   肥育舎全体が接種群になったとき

4)   毎月1回

④   ワクチン開始にあたってまず実施したいこと

1)        豚舎ごとに長靴を設置

外からウイルスを持ち込む可能性が最も高い長靴を交換する

豚舎出入り口に専用長靴を設置し、履き替えて豚舎に入る。

 

豚舎への入り方:

踏込消毒曹 ⇒  履き替え  ⇒  作業 ⇒  履き替え ⇒  退出

作業後の長靴は、水洗し、消毒液を入れたパットに置く。

※消毒液は20Ⅼタンクにあらかじめ一度に作って置く

消毒液:逆性石鹸・ピルコンS・消石灰・・・組合せに注意

2)        長靴のセットでカッパを設置

豚舎内に入る作業時に着用する。豚が直接衣類を噛まないように

豚舎出入り口に専用長靴と一緒に設置し、下半身だけ着用

作業で汚れた場合は大きめのバケツに消毒薬に浸漬し、乾かす(複数用意する)

毎日交換がベスト・・・こまめに交換

3)        豚舎毎に手指消毒スプレーまたはグローブの設置

人の手からの感染させる可能性あり、直接豚に触らなければいいが・・・

理想は使い捨てのグローブを着用して作業。

 

野外ウイルスがワクチン株のウイルスに入れ替わるまでの間頑張る

①   ワクチン接種以外の指導事項

1.        作業・動線の管理

1)   作業はPRRSが動いていない豚舎から

2)   作業者の専従化、できるだけ複数の豚舎に入らない

3)   豚舎毎の専用長靴、着替えの徹底、踏込み消毒層の増設。こまめな交換

4)   ウイルスを広げないとの強い意志

2.        洗浄と消毒

空き豚舎の洗浄と消毒の徹底・強化

ま と め

(1)PRRS対策を行う上で重要なのは、モニタリング

(2)農場ごとに有効かつ実施可能な取り組みが必要

PRRSはコントロールできる疾病

ワクチン接種、感染防止対策などにより、野外ウイルスを封込め、清浄化を達成すれば

生産性は確実に大きく向上します。

 

 




 

 




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